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表面活性化接合タイプ常温接合装置(SAB:Surface-activated Room-temperature Bonding)

表面活性化接合の概要

SABとは物質の接合面を真空中で表面処理し、活性化することにより、接着剤や熱、圧力などを加えずに2つの物質を接合する常温接合技術の一つです。
当社では、世界に先駆け、量産用の表面活性化接合タイプ常温接合装置の開発に成功しました。
基礎研究の用途から量産まで、幅広い用途での装置設計が可能です。
従来の技術とは異なるアプローチで、お客様の課題を解決できる可能性があります。製品の小型化、耐久性の向上、高性能化をお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。

接合材質の例 接合材質の例

表面活性化接合の特長

母材に熱が加わらない

常温での接合ができますので、母材に熱が加わりません。それにより、熱膨張率が異なるために接合が不可能だった異種材料の接合が可能になる。

接着剤が不要

母材同士が原子レベルで接合しているため、接着剤での接着に比べ、強度が高く、耐久性に優れています。
また、接着剤で封止する加工をした場合、密閉空間に接着剤から発生するガスがたまり、製品の劣化の原因になります。表面活性化接合では接着剤が不要なため、その影響を受けません。
密着層の厚みも削減できますので、デバイスの小型化が可能になります。

表面活性化接合により期待される効果

コスト削減、画期的新製品の開発

今まで不可能だった異種材料の接合が可能になり、材料選定の幅を広げることができます。これにより、コスト削減、画期的新製品の開発の可能性があります。

高信頼性・微細化

MEMS(微細構造物)の開発や、3次元実装分野では、信頼性とさらなる微細化が求められています。接着剤を使用しない表面活性化接合では、既存の加工法に比べ、信頼性が高く、より微細化された製品の製造が可能になります。

処理時間の短縮

熱を加える接合法の場合は、昇温と降温に時間がかかります。表面活性化接合では熱を加えませんので、その分の処理時間が短縮されます。

表面活性化接合の原理

1.安定状態

大気中では物質の表面は大気の影響を受け、酸化している層や、不純物が吸着している層に覆われています。これらの層(不活性層)によって、物質表面は安定状態になっています。このままでは、表面は活性化していないので、接合できません。

2.表面洗浄

不活性層をアルゴンビームで除去していきます。これにより、物質の原子が露出します。

3.表面活性化

露出した原子は、不安定な状態となり、他の原子と結びつこうとします。安定化した状態に落ち着こうとするので、表面が活性化した状態になります。

4.接合

表面活性化した物質同士を密着させます。すると2つの物質の間で原子間応力が働き、接合します。
気体分子が多く存在する低真空レベルでは、活性化した表面が容易に再汚染されてしまいます。よって、超高真空下での処理が必要になります。

表面活性化接合応用分野

  • 熱対策(ヒートシンク)
  • MEMS
  • 三次元実装
  • クラッド材
  • 材料の軽量化
  • 配線の一括接合

具体的な内容については、お問い合わせください。